九十九 太郎(仮)
76歳の一日・Life Style
●プロフィール
関西の大手家電メーカーでエンジニアとして勤務してきた九十九さん。30年前に箕面市で一戸建てを購入。妻と共に二人の息子を育て上げました。その息子たちも東京の大学を卒業し、就職、そのまま東京で家庭を持ちました。昨年、妻が要介護になり、有料老人ホームに入居。一人暮らしになったのを機に「グランヒル・ユニバ中銀 千里つくも台」に転居。グローバルビレッジの人たちとの交流も増え、街の美しい景観を楽しみながら充実した毎日を送っています。そんな九十九さんの一日をご紹介します。
朝の空気を感じながら千里南公園を散策。
毎朝の日課である散歩。今日は、津雲公園を抜け千里南公園まで散策。万博記念公園や千里中央公園など大きな公園が身近にあるのが気に入っている。
歩いているうちに頭がさえてくるので、その日のスケジュールを整理する。
今日は午後から大阪大学で行われる学習プログラムに参加する。久しぶりに20代の若者たちとコミュニケーションが取れることが嬉しい。
隣人とあいさつを交わし
2階にある談話室(ラウンジ)で朝食。
額に少し汗が浮くくらいに歩いて戻った後は、2階にある談話室(ラウンジ)でひと休み。敷地内にあるファミリーマートで購入してきたサンドイッチを食べ、朝刊を読みながら軽く朝食を済ます。この場所は、自由に利用できるので、朝は自宅で作ったものを持ってきてここで食べることもある。入居者専用の場所なので気の置けない住人と朝の挨拶を交わしながらあれこれ話すのも楽しい。自宅に暮らしていた時よりも近所づきあいは確実に増えた。
大阪大学付属図書館で読書の後は
にぎわう学食でカレーを堪能
電動自転車に乗って約15分、気になる本を探しに大阪大学吹田キャンパスへ向かう。大阪大学付属図書館は「総合」「生命科学」「理工学」「外国学」と4つもある。調べたい内容によって行き先を選ぶことができる。本好きにとっては嬉しい環境だ。
時計に目をやると正午になろうとしている。授業が終わって学生たちでごった返す前に昼食を済ませようと、学生食堂に向かう。食べるのは大抵カレーライス。学生時代、流し込むように食べていたメニューを、時間をかけて味わう。若々しい食堂の雰囲気もスパイスとなるのか、意外と美味しい。
するとそこへ顔馴染みの学生が近づいてきた。学生寮に住んでいる理系の学生で、電気系のエンジニアを目指しているという。何度か自分の経験をグローバルビレッジ津雲台内の交流ラウンジで話したことがあったが、また話を聞いて欲しいと彼。自分に話せることならば、と学習プログラムが終わった後に会う約束をする。
学習プログラムに参加。
大阪大学は社会人に向けた生涯学習や公開教室等学習プログラムが充実している。
自分が定年するまでエンジニアとして一線に留まることができたのは、探究心を失わなかったからだと思っている。仲間たちとよく話したものだ。「その本質はどこにあるのか?」と。その気持ちは今も変わらないし、この探究心があるうちは自分もまだ大丈夫だと思える。そんな自分にとって、大学の学習プログラムは今もっとも刺激的な場所だ。
学生と語らう。
学習プログラムで刺激を受けた後、帰宅。時間もあるので太陽の塔を横目に見ながら万博記念公園を南下、エキスポシティ経由でサイクリング。
シャワーを浴びた後、交流ラウンジに向かう。学生食堂で約束した彼と会うためだ。話はやはり、就職に関することだった。さすがに年齢の違いは大きいが、希望する職種が自分の領域なら就労サポートもやりがいがある。ちょっと熱くなってしまったのは、エンジニアとして心がけていたフィロソフィを語り始めたとき。これはいくら時代が変わろうと、技術が進化しようと変わるものじゃない。とにかく「本質を突き止めようとする姿勢を忘れるな」と伝える。
後輩とディナー&カラオケ、そしてバーラウンジでの一杯。
至福のひと時。
夕方、以前から約束していた近くに住む会社の後輩がやってきた。「ハレとケ」でディナー。高齢者施設に入ったと聞いて、心配していた後輩は「日焼けして若々しくなりましたね」と驚いていた。
気分が良いので。共用施設にある「カラオケルーム」へ。一緒に歌うのは青春時代の一曲 ステッペンウルフ「Born To Be Wild」(ワイルドで行こう)「ハレとケ」は、夜はバーになる。後輩を連れて、二次会だ。最近お気に入りのジン「季の美」をストレートで。一日の終わり、至福のひと時だ。